2022年度税制改正のポイント

 

国が掲げる「成長と分配の好循環」を具体化する目玉の改革として、いわゆる「賃上げ税制」についても見直しが実施されました。

 

青色申告書を提出する資本金等の額が1億円以下の中小企業者等を対象とする「所得拡大促進税制」に関しては、中小企業全体の雇用を守りつつ、積極的な賃上げおよび教育訓練などの人材投資を促す観点から、適用期限の1年間延長と内容の見直しが行われました。

 具体的には改正前の雇用者全体の給与等支給額が前年度比1.5%増で給与等支給増加額の15%を税額控除できる制度はそのままに、上乗せ要件が拡大されました。

 改正前は「雇用者給与等支給額が2.5%以上増」および「教育訓練費の額を前年度比10%以上増」か「中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け、その計画に従って経営力向上が確実に行われたものとして証明されたこと」のいずれかを満たした場合、税額控除割合10%が加算されました。

 改正後は、雇用者全体の給与等支給額が前年度比2.5%以上増加するだけで税額控除割合を15%加算、また教育訓練費の額が前年度比で10%以上増加するだけで税額控除割合10%加算と要件が緩和されました。

 なお、改正前は教育訓練費に係る税額控除割合の上乗せ措置を受ける場合、教育訓練費の明細を記載した書類を確定申告書等に添付する必要がありましたが、改正後は、保存義務へと変更になりました。

 

適用時期:2022年4月1日から2024年3月31日までの間に開始する各事業年度